ゲストルームのベッドにプリンセスを降ろした。

 ドレスのパニエを広げてバウンドする。



「きゃあ! 意地悪しないでよ!」


「危なかしくて見ていられませんよ。もし、今このベッドの上にいる男が私でなかったらどうするおつもりですか?」


 まるで反省の色を示さないお嬢様には、少々手痛いお仕置きが必要なようだ。


 両腕を押さえつけやる。

 そして顔を寄せて、唇が触れるか触れないか寸でのところでピタリと停止した。


「そんな話されても、訳わかんないわよ!」


「それでしたら……先程の舞踏会で好みの可愛らしい女に部屋に遊びに来ないか? と誘われたのですが、私は彼女の元へ参りますね。おやすみなさいませ、お嬢様」


 彼女の手が俺の腕を掴む。


「お一人で宿泊されているようでしたので……さも寂しい夜をお過ごしなのでしょう。

 一晩お相手をしてあげるのは、ワガママなお嬢様の相手をするより愉しいかもしれませんので」


 ジワジワと薔薇色に染まる茉莉果様の頬。潤み出す瞳。