「ああ、面白かった。私、笑うの久々よ。おばあ様が入院しちゃって、話相手もいなかったの。

 いいわ、“柏餅”! おばあ様の病院に行きましょう。車を用意しなさい」



「かしわもち?」






 俺は、彼女の鉄壁を突き破ることに成功した。





 ただ一つ重要なのは……

 この先、しばらくの間、このお嬢様と
上手くやっていけるのかということだ。





 父と母を亡くし、崩壊したのは平和な日常。


 手に入れたのは、常識外れなお嬢様との非日常的な生活。




「よろしくね? 柏餅」


「ええ、しばらくの間は貴女の執事として誓いましょう。

 貴女の為に働くと……


 それから、私(わたくし)執事の“柏原”とお呼びくださいませ、茉莉果お嬢様」




第3話へ つづく