パソコンの文章は、ここで終わってた。

「陽祐、生まれ変われたら、何だったの?」

何もない、白い空間。

そこにいるのは私だけ。

「最初はね、陽祐を好きになるはずじゃなかったんだ。私はこの世界が大嫌いだったから、消したくて。
なのに、陽祐がいた。
消したくなくなったけど、遅かったんだ。」

白い空間には、私の声と、パソコンから聞こえる微かな音のみだ。

他は消えた。消した。

消さなきゃよかった。

「陽祐…ごめんね。」

消したものは戻せないけど、

作り直すことは、できる。

世界が終わって、何もなくなった空間に、私は物語を書き始めた。

陽祐と私が、結ばれる世界の話を。

「待っててね、陽祐。」




next…?