道化師は笑う［ＢＬ注意］

「ピエロさん。だいじょうぶ？」

道化師が裸で汚れたままうつろな眼で空を見上げていると、凛としたまだ幼い声がテント裏に響いた。

「あははは・・・・かっこ悪いところ見られちゃったね」

道化師は話しかけてきた女の子の顔を見て自嘲するように言った。
いい年をした男が、何人もの男に囲まれ、犯され・・・動くことも出来ずにその場にいたのを、年端も行かぬ女の子に見られてしまった。しかも、ピエロの正体を知られてしまった。
そんな道化師の、自らを蔑んで全てを諦めてしまった”笑い”

「なんで笑ってるの？こわくないの？いたくないの？なんでなかないの？」

「お兄さんは笑うことしか出来ないんだよ」

今にも泣きそうな顔で言う女の子に、道化師は心配しないで・・・といいながら笑いかけた。

「じゃあ、わたしがっピエロさんのかわりにっ・・・ないてあげるょ・・・」

女の子はそういって泣いてしまった。

「ありがとう。ありがとうね」

道化師は薄っぺらな笑顔をつけたまま身体を起こし、女の子に言った。