団長より命を受けた道化師は、すぐに自分の部屋に戻った。

部屋に戻るとすでに少女がベッドに腰掛け待っていた。

「マリアちゃん・・・来てくれてたんだね」


道化師は喜び、笑顔で少女に近づきます。

「うん・・今日もすごかったね。ヒロにぃ。私にもヒロにいみたいなこと出来るかな??」

少女は道化師の言葉に、何処か悲しそうに返事を返した。


「どうかしたの??」


「あのね・・・」


道化師は嫌な予感がして堪らなく、本当は聞きたくなかった。


でも、少女の言葉は、無情にも道化師の耳に入ってきます。


「あたしね、きょう、おひっこしなの。もう此処に帰ってこないの。だんちょーさんたちも来れないような遠くに行くんだってパパが」


道化師は目の前が真っ暗になった気がした。