道化師は笑う[BL注意]

「じゃあね」

「うん!!また明日来るね!!」

少女は元気良く手を振ると、走って道化師の部屋を出た。

「ヒロユキ・・・少しいいかしら??」

「何です??」

それとほぼ同時に、女------団長-------が入ってきた。

道化師はいつもの笑顔で、団長を椅子に座るように促した。

「あなたはマリアのことを、どう思ってんの??」

「マリアちゃんを・・・?普通に可愛らしい子だと・・・・」

道化師には団長の問いの意味がわからなかった。

それも当然だ。
道化師は団長以外の女性とは話しをしたことがないのだ。

「そう・・・でも、マリアには余り、近付かないようにしなさい」

「なぜ・・・・です??」

道化師は団長に尋ねた。

「あなたが喜ばせなくてはならないのは、マリアだけじゃないわ。お客全員を喜ばせるの。このままでは、あなたはマリアだけを見てしまうわ」

「そんなことないです!!お願いです!!ここにいる間だけでも、マリアちゃんに会わせててください!!」

「っ・・・・」


道化師は理由を聞いて、必死に頼んだ。

そんな道化師を見て驚いた。
道化師がものを強く頼んだのは、団長からしてもはじめてだった。