リ「今日も雨か・・・。」



灰色の空を見上げて
ため息をついた。

神様に聞こえるくらい
盛大なため息。



雑用を押し付けられて

帰るのがすっかり
遅くなってしまった。



さいきん新しくした
薄いピンクの花柄の傘を、

だれもいない下駄箱で
静かに広げる。




そのとき、

聞き慣れた声が聞こえた。




奥村恭介の声が。