「ケータイ…貸して。」 「えっ、うん。」 ポケットからケータイを取り出して鳳くんに渡す。 その時に、少しだけ。 鳳くんの手に私の指が触れた。 トクンッ… また心臓が跳ねる。 「……よし。」 「え?」 「…俺のアドレス、送っといたから。」 「わかった、ありがとう。」 嬉しい… 電話帳のデータの中に、鳳くんの名前を見つけた。 『鳳 龍雅』 「…嬉しいなぁ…」 「…………りま…」 「ん?」