私のヒーロー=ヤンキー君☆



「だって…鳳くんのことが、」

「………ちょい、待て。」


急な鳳くんの『待て』に、言葉を呑み込んだ。


「……俺は、この学校の連中から恐がられてる。」
「……うん。」
「……だけど、お前だけは違った。だから、正直困った。」


あぁ…やっぱり迷惑だったんだ。
困らせてたんだ。


「『優しい目をしてる』とか、誰かに『ありがとう』とか、『恐くない』って言われたのもはじめてだった。…だから、戸惑った。まして武宮みたいな女は、はじめてだったからな……」

鳳くんは少し目を細めて私を見た。
……かも、しれない。
私の視界は溢れる涙で歪んでるから、ぼんやりとしかわからない。