「鳳く…ん…」 何だか、悲しくて、切なくて。 出逢ってからまだ全然時間は経ってないけど。 鳳くんが私の中で大切な存在だって気づいたのも本当に何時間か前だけど。 でも、気づいちゃったんだもん。 鳳くんのことが好きだって…… 視界が歪んで、涙が頬を伝う。 風は柔らかくて暖かいのに、頬を伝う涙を冷たくする。 「お…とりく、ん……」