廊下を走るのは私だけ。 鳳くんに追いつけない。 「はぁ、はぁ…」 やっぱり男の子は歩くの速いのかな…なんて思いながら。 君の背中を探して走る。 屋上への階段を駆け上がって、扉を開けた。 ガチャッ…‼︎ ぶわっ… 外の眩しさと一緒に、暖かい風が扉から吹き込んだ。 「鳳くん!!」 鳳くんの姿はなかった。 嘘つかれちゃったのかな… しつこい女だと思われたのかな。 私……嫌われたのかな?