私のヒーロー=ヤンキー君☆



「……武宮。」
「!!」


武宮を呼ぶと、目を丸くして俺を見上げた。

わかりやすい……

多分、俺が武宮のことを『お前』とか『あんた』と呼ばずに『武宮』って呼んだのがはじめてだったから、それに驚いたんだろう。


「名前…」
「あ?何だよ…」
「あ、いや。はじめて呼ばれたなぁ、と…」
「あぁ………嫌か?」


聞いて、少し後悔した。
嫌と言われたらどうしようか。
俺が武宮の名前を口にすれば、今俺と話をしているのは武宮だとすぐにわかる。
そもそも、俺と関わるのは、嫌じゃないのだろうか……?


「嫌じゃない…むしろ、嬉しい!!」


そう言って武宮は向日葵みたいに明るく、可愛く笑った。