『もう大丈夫だから泣くな。』 あの時の言葉と、頭に置かれた鳳くんの手の感触と温もりがまだ残ってる。 あの日、君に出逢ってから。 『俺のこと、恐くねぇの?』 その時の驚いた表情に、『この人は悪い人じゃない。』と思ったんだ。 瞳の奥に、小さな温かさと優しさが見えた気がした。 その日から、鳳くんが気になる存在になってた。 きっと、茉智ちゃんに言えばすぐにその気持ちの答えを教えてくれたと思うけど。 何となく、鳳くんに惹かれてるのは気づいてたんだよ。