そんなある日だった。 ただ廊下を歩いていた。 勿論、ほかの連中は俺を見るとすぐに両端に避けるか教室に身を隠す。 いつもと変わらず、1人で廊下のど真ん中を歩いていた。 トクッ… 少し前に、武宮が歩いていた。 こんなに近くで武宮を見るのは久しぶりで、変に緊張して、心臓が速く波打った。 俺に気づいてほしいと思う反面、何を話せばいいのかわからないから気づくな、と思う2つの矛盾した感情が俺の中でぐるぐると渦巻いていた。 ……が、前から歩いて来た3年の男3人の1人と武宮がぶつかった。