「りゅ、龍雅…ごめん…」
状況を把握したのか、りまは鳳に謝っていた。
「……お前が悪いわけじゃねぇ。けど…顔見られたのは、ヤバイな…」
「りま、茉智!何で来たんや!!」
「は、羽柴…」
私は、下駄箱で呆気にとられて羽柴を見ることしかできなかった。
体が、少し震えているのに気づいた。
「…ご…ごめん…」
私も、震える声で羽柴に謝った。
「いや…すまんかったな、怖がらせて。俺が怖いか?」
「違うわよ!羽柴は怖くないよ…」
「茉智…ありがとうな。りまもな。」
羽柴は小さく笑った。
怖いわけない。
羽柴を怖いと思うわけない…
まだどこか緊張感の漂う雰囲気の中、身動きがとれなかった。



