「……はぁ、はぁ、茉智ちゃんどこにいるんだろ…」
走り回って探すけど、茉智ちゃんの姿が見当たらない。
中庭、裏庭、体育館の裏に、使われなくなった教室……
「あとは……」
私は屋上に向かった。
ガチャッ…
ゆっくりと屋上の扉を開ける。
柔らかい風が吹き込んだ。
「……茉智ちゃーん?」
小さく呼んでみる。
だけど、返事はなくて。
私は屋上に出て、キョロキョロと屋上全体を見回した。
「茉智ちゃん……」
屋上の端で膝を抱えて顔を伏せて座っていた。
「茉智ちゃん?」
「……りま…」
たくさん涙を流した茉智ちゃんの目は、赤くなっていた。



