「じゃあ、素直になれよ。」
「いやいや…今更恥ずかしいやん?初めは『りまを奪ってやる』なんて龍に宣言しといて、気づいたら仲良くなってて違う女に惚れたとか…何か、かっこ悪いやん。」
「…俺は別に良いと思う。」
「龍…」
「りまや菅原のことをもっと知ったうえで、菅原のことを好きになったんだろ?」
「……おう…」
「なら、別に恥ずかしくもかっこ悪くもねぇだろ。そんだけの魅力が菅原にあったってだけだ。」
「龍……お前は本当に男前やわ。」
それだけ言うと、参ったというような笑いを俺に見せた。
「よし!今日からまた頑張ってみるわ!!」
元気にそう言うと、りまと菅原の教室に向かって幸平は歩き始めた。
「…まったく…調子がいいな。」
「何か言うたか?」
「何でもない。」
「そっか?」
幸平は楽しそうにりまと菅原のいる教室に向かいながら笑っていた。



