『何だかなぁ……』
『あのー……』
『あ?何、あんた。』
『もしかして、迷子さんですか?』
『う〜ん…迷子さん、かな。』
『どこに行きたいんですか?』
『あー…めんどくさいから、帰るわ。っつーかさ、あんた俺のこと恐くないわけ?』
『え?はじめて会って何も知らないけど、私はあなたのこと恐い人だとは思いません。』

その子は、笑って言ったんだ。

『だって本当に恐い人は、他の人に耳を傾けたりしないと思うから。』


その時のその子の言葉と顔が、忘れられなかった。

羽柴なんてどうでもいい。


「思い出したかい?りまちゃん。」
「あの時の…」

あの時の、茶髪でパーマかけててピアスに学ラン少し着崩してて、バイクに乗ってて……