考えもしなかった言葉に、思考停止する。

え?

龍雅が先に私をとったから……?

「意味が…わかりません!!」
「あはは、可愛いー。」

笑って言うと、足首を縛っていた縄をほどいてくれた。

「覚えてないのも無理ないかな?」
「はい?何のことですか…」
「羽柴がそっちに転校して間もない頃、羽柴の居場所を突き止めて1人でバイク移動してた時に、道に迷ったんだよね。」
「道に、迷って…」
「そっ。その時に、1人の女の子に会ったわけ。」


あれ?
何だか、思い出してきた……

羽柴くんが、転校してきた頃……