その女のいるクラスが見えてくると、体育で更衣室に移動しようとしている女子らがドアから出てこようとしていた。 ……が、俺を見るとパッと教室の中にまた入った。 すると…… ぴょこっ という効果音が似合うような女がドアから顔だけを出してこっちを見た。 くりくりした茶色い目で俺を見つけると、小さく何か呟いた。 やっぱり、その顔には“恐怖”という色は出ていなかった。