おじさんの手の中で光る指輪以外にも、店先にはどれも花をかたどったデザインのアクセサリーが並ぶ。




それらを愛おしそうに見つめるあたしの手を、さっきより強く引っ張って、神崎さんは先を促した。




「行くぞ」
「でもまだ全て見てないです」
「知らねぇよ」




いつになく不機嫌な神崎さんにあたしは震えた。
その震えを繋いだ手から感じとった神崎さんはあたしをたこ焼き屋さんの前に連れてきた。