「夏凪[ナツナ]、目線こっちよ~」
「了解です、ボス」
「もっとマシなあだ名は無かったの?」
「そんなものは存在しないわ」




目の前にはオカマなカメラマンさん。
“ボス”の通り名で知られるカメラマンさんは、あたしの“仲間”たちの仕事相手だ。




「夏凪、何でモデルになったの?」
「忘れたいのよ、優しさを」




仕事仲間たちには本当のあたしを見せている。
だからこそこの仕事を選んだのが信じられないのだろう。