今度はあたしを女扱いしてくれた。
その事実にあたしは戸惑いを隠せなかった。




「あんた名前は?」
「宮星刹那と申します。そなた、名は?」
「そなた?」




あははと笑いに笑ったヤクザはあたしの目をまっすぐ見て微笑んだ。




「あんた面白いな。俺は神埼夕俟[カンザキユウマ]。仲間には“夕”とか“総長”とかって呼ばれてる。お前も好きに呼べ」




あたしを救ったヤクザー神埼夕俟ーは、あたしの読み通り、あたしをおぼれさせてくれそうな悪魔だった。