『お姉ちゃん』 屋上に行って大の字になって寝っころがる。 不意に妹の声がした。 『お姉ちゃん』 あたしを呼んでいる。 「………………………」 あたしは眉を顰めた。 『お姉ちゃん』 「黙れよ」 止まないその幻聴か、否かに。 妹は死んだんだ。 『お姉ちゃん』 止めてくれ、梗。 あたしは耳を押さえた。 何も聞こえないように。