「京!!?」 できれば、今は聞きたくない声がした。 怪訝な顔をしてあたしを見るシキ。 その右手はどうしたんだ、とでも言いたげな表情を浮かべて、あたしを見下ろすシキ。 分からない。 分からないけど。 「京?」 あたしはシキに抱き着き、まるで子供のようにわんわん泣いた。