屋上に強い風がなびく。
「だから・・・」
そういうと僕は、梨乃にキスをした。
雨宮に見せつけるため。


―雨宮を見ると、
泣いていた。


「う・・・うぅ・・・」
雨のように、大粒の涙を流して。
「ごめんな、雨宮。僕、梨乃一筋なんだよ。」
「ぇっ・・・///」
梨乃が照れた。
『あはは』と僕が笑うと、雨宮も笑った。
「私ね、ただ憎かったんだと思う。ごめんね、梨乃ちゃん。」
「ううん、いいの。私、慣れてるし。ははは。」
「うん・・・あり・・・がと・・ぉ・・・」
そういうと、雨宮はまた泣きだした。
「ちょっ!大丈夫?はい、ハンカチ。」
そういって梨乃がハンカチを取り出す。
優しいな、梨乃は。

「私、星ちゃんが優しいこと知ってるから。ね?」
「う~梨乃ちゃあああん・・・。ごめんねぇえええ・・・。」
「いいって言ったでしょ!」
友達っていいな。そう思った。