初恋と僕


なせ彼女が僕の名前を知っているんだ?名札なんてないし、自己紹介もしていない。
悶々と考えていると
「じゃ、次は益子くん。」
僕の番が回ってきた。

「はい。」
何も考えないくせに、返事だけは立派にしてしまった。とりあえず、名前と出身中学校…
「宮原中学校からきました。益子秋です。……」

あとは、趣味?…いや、聞いてないし。特技はないから……
「益子くん?」
先生が僕を呼ぶ。
早くこの状況から逃れたいと思っても、どうしたらいいのかわからない。人前で話すことなんてほとんどないから、戸惑ってしまう。
「…………」
無言で考えていても、みんなに迷惑をかけてしまうだけ!
「早くこのクラスに慣れるように、頑張ります…以上です。」

なんとかして終わった自己紹介は、グダグダだった。こんなカッコ悪いところを見せて彼女に嫌われた…と思い、ひと目彼女を見ると、目が合った。