「それにしても…倉橋さん遅いわね……」
2列目の自己紹介が終わったところで、ポツリと先生はつぶやいた。
日誌をとりに行っているとかなんとかで、クラスにかえってきていないらしい。でも先生は自己紹介を続けていた。

黒い長い髪、きしゃな体、すらっとした手足…
名前もわからない彼女を思いだしているとき__________

ガラガラガラ
「先生、遅くなってすいません。」
一人の女の子がクラスに入ってきた。
彼女にそっくり…いや、彼女自身が。

こんなこと、あっていいのか?

そんな嬉しい戸惑いを抱きつつ、彼女をまじまじと見つめていた。