里穂「・・・だれ?」



見知らぬ男の子が、
フェンスに背をもたれて
寝息をたてていた。


里穂(今まで私以外に入ってくる人なんていなかったのに・・・)


恐る恐る近づいてみる。



無防備に寝ている彼は

とても整った顔立ちで、

やわらかそうな髪の毛は

日に透けて栗色に見えた。



里穂(可愛い寝顔・・・。起こしたら悪いよね?)

そう思った里穂が
立ち去ろうとした瞬間、



〜♪〜♪〜♪

里穂「ひゃっ!!


胸ポケットの携帯から
流行りのラブソングが流れはじめた。


あわててボタンを押して
音楽を止めても、
時すでに遅し・・・



「・・・ん〜?」


眠そうな目を擦りながら
こっちを見る男の子と
視線がぶつかった。