「お前と一緒には暮らせないよ」

面と向かって言われると、ガツンとくる。それが、煮え切らないカレに“無理やり吐かせた台詞”でもだ。

ここはファミレス。

頬を伝う涙は、もはや悲しくて流れるのか解らない。

「おい、泣くな。みっともない」

白昼堂々、別れ話のもつれで泣く惨めな私。醜態を晒しながら、なお居座らねばならぬ理由など…ない!

「アナタと別れて、実家に戻る。それで良いんでしょ。話は終わり?なら、帰る」

「は!?待てよ、置いていくとか、人としてあり得んから」

くっ、せめてもの抵抗と…御手洗いに逃げ込んでやった。ずびーっずっずっ、、思いっ切り鼻をかんで、深呼吸。

鏡には、寝不足のクマが隠しきれない冴えない顔。あぁ、神様。私は何か間違いでも犯したのでしょうか?

まるで悲劇のヒロインな気分。

とは言え、私は只の一般ピープル。それも平々凡々を絵に描いたような!他のお客様に迷惑を掛ける前に、足取り重くカレの元へ。

お昼時をちょっと過ぎた店内だが、変わらぬ日常風景。

呼び出しベルに右往左往する店員さん。井戸端会議に花が咲くお姉さま方。友達同士で仲良くスイーツですか、あ、それ美味しそう。