重なった素肌



ゆっくりと微笑む日和に皐月も八重歯を見せて笑い返してくる。

そして日和の首元を見て、おもむろに自分の首にはめていたチェックのマフラーを取って日和に巻いた。


「え‥?」

戸惑った表情を見せながら首に巻かれたマフラーを触って皐月の方を見つめる。


「日和寒いだろ俺は大丈夫だからそのマフラーしてろ。」


皐月はそう言うと学ランのポケットに手を突っ込んでさっさと歩き出してしまったから日和も慌てて後を追って隣に並び


「ありがとう‥。」


とマフラーに首をうずめて嬉しそうに言った。



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