重なった素肌



父は驚きで体の力を抜いていたので重みを感じない。


その隙に私は下から抜け出ると乱れた制服のまま皐月の方に駆け出す。


それを見た父は慌てて日和をこちらに戻そうと立ち上がった。

「来るんじゃねえ。」


日和の肩に手を回してぎゅっと自分の方に引き寄せる。


父はピタリと立ち止まり、手をプルプルと震わせながら


「皐月くん。日和を返してくれないかな?日和は俺のなんだよ。」


と静かに言う。


「黙れ。日和を返す気はねえよ。お前みたいな変態親父の元には絶対な。」



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