皐月と喋っていると家までの道があっという間なので何故か少しだけ寂しくなる。
家の前に着いた私達は立ち止まって顔を見合わせると
「じゃあ‥また。」
と言ってそれぞれの家の中に入っていく。
皐月から貰ったマフラーがまだ首もとに残っていた。
それを強くぎゅっと握り締めて玄関の扉を開くと、父親の靴がキチンと揃えて置いてあった。
ドクドクドクドク
心臓が有り得ない速さで動き、呼吸が荒くなる。
静かに玄関のドアを閉めてゆっくりとローファーを脱いだところで、ガチャリと音がした。
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