「ううん。大丈夫だよ。そんなに急がなくても良かったのに。」
「日和が1人だろうと思ったからさ。思わず走ってきた。」
にこりと笑ってそう言う皐月に少し胸が高鳴り、2人で傘を差しながら帰る。
隣に居る皐月のせいか、こんな雨の日なのになんだか気分は最高だった。
皐月と出会えたことが皐月にとって良かったことなのかは未だに分からない。
だけど、私は皐月と出会えて最高に幸せ。
皐月からは知らない世界をたくさん見せてもらって、たくさんの言葉を貰い、優しさを貰った。
そこには温もりがあって、私はずっとそれに甘えていたような気がする。
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