あい らぶ ゆう

――…佐々木彰人。

今同じクラスで、共に放送委員。
初めて交した言葉は「放送、当番日忘れるなよ!」。
放送委員で一緒になるまでは、話した事がなかった。

話す機会もなかったし、クラスでも静かで大人しい性格だと思っていたので、私からは話しにはいかなかった。

放送を一緒にし始めてから、趣味、特技、好きな食べ物、マイブームなどを話し合って気が合う事がわかった。

それからは、いいお友達として仲良くさせて貰ってる。

「なんかさー…、秋ってモテるのに彼氏作らないのもったいなーい」

華がいかにも'つまらない'という顔をして呟いた。

「彼氏なんていらないよ。今は友達がたくさんいるから、必要ない。第一、私モテてないし」

制服の白帯をいじりながら答える。

「えー!秋モテるんだよ?今だって、教室のドアの隙間からこっち見てる男子とか、秋の事ずっと見てるもん!」
「ははっ、あれは華を見てるんだよっ」

そうそう、あの男子は華が好きなんだ。
当たり前だよ、華は可愛いもん。

「華見てても面白くないじゃーん。」

ぷう、と両頬を膨らしてフテる華。
あ、ホラ。そんな姿を見て、ドアの男子が目をハートにしている。
わかりやすい世の中だなあ…。