“お嬢様”

それだけで私は成り立つ。

この“女子高生”はもはや2役目にすぎない。


るー君とは長い付き合いだから、制御の仕方は一番わかってる。

高校生の前にお嬢様だ、と言われた気分。


私は……お嬢様であらなければならない。

「薊?」

「へ?」

「ぼーっとしてた」