「ほら抵抗できなかっただろ?」
「い、今の不意打ち……!しかもまたキスして!」
頬だったからまだよかったものの……ううん、本当はよくないけど。
唇にされたら平手打ちのひとつでもお見舞いするところだった。
「本当、無防備だな。男の前でそんなんだと……いつか食われるぞ」
「はい!?」
食べらる!?
意味わかんないから!
あたしは食べ物じゃないんだし……!
「ま、安心しろ。俺のそばにいる限り、俺以外に触られることはないだろうから」
フッと不敵な笑みを見せられて、あたしは思った。
滝川くんのそばにいるのがいちばん危ない、と。
「……ほら、また無防備」
そんな言葉が聞こえてきたかと思ったら、今度はいきなりグイッと腕を引き寄せられて……ちゅっ、と軽く口づけされた。
唇はすぐに離れたけど、だけど顔は熱を帯びて、あたしはそのまま動けないでいた。