目に涙をためながら、キッとにらむと、滝川くんは眉間にシワを寄せた。
「お前、なに言ってんの?」
「え……なにって、あたしは本当のことを言っただけ……」
なにかまちがってるとでも?
首をかしげながら滝川くんを見つめる。
「俺、キスしたのお前がはじめてだけど?」
「……はい?」
放たれた言葉に、あたしは目を見開いた。
キスするの……あたしがはじめて?
「いやいやいや!ウソでしょ!絶対ウソ!」
慣れてなければ、あ、あんなキスできるはずないから!
「ウソじゃねぇよ。つか俺、女は嫌いだし」
「それは、知ってるけど……」
「まぁ、そういうわけだ。俺のファーストキスもお前が奪ったってわけ」
「ちょっ……!人聞き悪いこと言わないでよ!」


