「お前、俺のこと嫌いだからピーピー騒ぐことも、こび売ってくることもないだろ？」
「うん……」
「それに、彼女ができれば少しは言い寄ってくるヤツも減るだろうし。じゃ、そういうことで」
「……いやいやいや！ちょっと待ってよ！『そういうことで』じゃなくて！」
それって滝川くんにはメリットはあるけど、あたしには全然メリットないじゃん！
むしろ恨まれ役だし。
それに、あたしみたいなのが彼女って……絶対効果ないよ！
「なんだよ、まだなにかあんのか？」
「あたしの身にもなってよ！平穏な高校生活はどうなるの！」
今まで争いごともなく、ふつうに過ごしてきたんだから。
それを滝川くんに奪われるなんて……いやすぎる。
「そんなに彼女になるの、イヤか？」
ジッと見つめられて、尋ねられた。
