「……や、ヤダッ!」 「だいじょうぶ、だいじょうぶ。優しくするから」 その言葉とともに、彼の顔がさらに近づいてくる。 全然だいじょうぶじゃない! この状況、絶対ダメだよ! もう、ダメ……! だれも助けに来ないという恐怖のあまり、ギュッと強く目をつぶった。 そのとき。 「なにしてんの?東川くん?」 東川くんのうしろから、男の人の低い声が聞こえてきた。 東川くんがあたしから顔を遠ざけて、振り返る。 た、助かった……?