バツの悪そうな顔をする滝川くんを朝輝先輩がからかう。



「ふふっ」



仲いいんだなぁ……。



ふたりの様子を見て、あたしは思わず笑ってしまう。



「で、乃愛ちゃんを呼んだのはなんでなん?」



滝川くんに問いかける太陽くんの言葉であたしは我に返った。



そうだ、滝川くんがどうしてあたしのことを知っているのか、



その理由を教えてもらうためにここに来たんだった。



だけど、生徒会室に着いてから抱きしめられたりキスされそうになったりして……。



話が最初からまったくちがう方向にあったから、すっかり忘れてた。



「ね、ねえ……あたし、別に滝川くんぐあたしを知っている理由、もう気にしてないよ?」



よくよく考えてみたら、同じ学校でしかも同じ学年なんだし、名前くらい知ってても不思議じゃないよね。