「お前、ちいさ……」
耳元で滝川くんの低い声がする。
耳に息がかかって、ちょ、くすぐったい……。
「ちょ、ちょっと……!離してよ!」
「ん?無理」
身をよじって抵抗するものの、両腕で完全にガッチリ固定され、身動きが取れなくなってしまった。
昨日はじめて会ったばかりの人に抱きしめられるなんて……!
それに、男の人とここまで密着するのもはじめてで……。
もうどうしたらいいのか、わからなくなってきた……。
心臓がバクバクとありえないほど大きな音を立てる。
滝川くんにまで、心臓の音聞こえたらどうしよう……。
そうだったら困る!


