なんと、あたしの目の前にいたのは女の子たちに囲まれていたはずの滝川くん。



「……お前どこに行こうとしてるわけ?」



――ギクッ!



その言葉にピクリとあたしの体が反応する。



あたしよりはるかに背の高い滝川くんに見下ろされているからか、威圧感がハンパない。



帰ろうとしてました……なんて言えるわけがない。



「まさか……帰ろうとしてたんじゃねぇよな?」



そう言いながら滝川くんはキラキラとした笑顔をあたしに向けてくる。



「い、いや、その……」



あたしが帰ろうとしてたって、絶対わかってるよね……。



「ん?乃愛ちゃん?」



わかってて聞いてくるなんて……。