それに生徒会室のドア開けるのって、なんか勇気いるし……どうしよう。



そのとき、悩んでいるあたしの頭に浮かんだのは“帰る”という文字。



滝川くんはまだ女子に囲まれているだろうし……帰ってもいい、かな?



うん、それがいい!



あたしのことをどうして知っているのか、その答えが聞けなくても……まぁ、いいよね。



そう決めて、あたしはクルリと体を反転させると……。



「いたっ……」



顔になにか固いものがぶつかった。



そのせいで少し鼻がヒリヒリする。



いたたた……。



なににぶつかったんだろう、と思って顔をあげた瞬間……あたしは思わず後ずさりした。



「た、滝川くん……っ」