教室から少し離れたところで教室の方を振り返ると、まだ滝川くんは女の子たちに囲まれていた。
よかった……バレてない。
あたしは思わず、ふぅ、と安堵の息を漏らした。
……それにしても、本当にモテるんだなぁ。
生徒会室までの道のりを歩きながら考える。
滝川くんが教室に来た瞬間の、女の子たちの悲鳴に近い声。
もしかしたら矢吹くんに匹敵するほどの人気かもしれない。
いや、でも矢吹くんのほうが性格はいいか。
なんせ、王子様だもん。
それから3分ほど歩いたところであたしは生徒会室に到着した。
着いたのはいいけど、あたしが勝手に入って……いいわけないよね。


