す、すごい……。
滝川くんが来たとたんにこの騒がれよう……。
あたしが感心している間に、女の子たちが一気に滝川くんを囲む。
な、なんという人気……。
でも、これは今のうちに生徒会室に行くチャンス?
だって滝川くんとふたりで生徒会室になんて行ったら、絶対注目されちゃうし。
なにより女の子からの反応が怖いのは目に見えている。
あたしはこれからの学校生活、なるべく目立たず、ふつうに過ごしたいんだから!
「明菜、バイバイ!」
「え、滝川くんは……」
「いいの!またあした!」
あたしは明菜に一方的に別れを告げ、滝川くんにバレないようにダッシュですばやく教室を出た。