「それでね、断ったんだけど……東川くんが怒って。襲われそうになったの」
「はぁ!?なんてことしてんの、東川!」
明菜は怒りのあまり、座っていたイスからガタッと勢いよく立ち上がった。
「ちょ、明菜!だいじょうぶだったから!だけらおちついて!ね?」
慌てて明菜をなだめると、明菜は目を三角にしながらも、イスにすわりなおした。
「ったく……後で東川とっちめてやるんだから!」
「まぁまぁ……。それで、襲われそうになったところを……滝川くんにたすけてもらったんだ」
あんな人に助けられたと思うとなんだかくやしいけど、そのおかげで襲われなかったことは事実だし……。
「へぇ、滝川くんがねぇ。……って、え?滝川くんが!?」
一瞬納得したものの、明菜の顔はすぐに驚きへと変わった。
そこには“信じられない”という表情が浮かんでいる。


