「もう……。あ、ねぇ、そういえばお母さんとかは?いないの?」



「おふくろは仕事。親父は単身赴任中っし。だから平日の夕飯はほぼ俺ひとりだな」



ケホッと軽く咳をしながら、滝川くんは答えてくれた。



「……そっか」



ひとりで食べる夕ご飯を想像して、自然と眉尻が下がってしまった。



「そんな顔すんなよ。別にさびしいとか思ってねぇから」



滝川くんはそう言うけど……でも、やっぱりひとりはさびしいよね?



あたしだったら、さびしくて仕方ないと思う。