あたしは帰り支度をしようと立ち上がった。 だけど……。 「……え、な、なに?」 突然、グッと腕をつかまれた。 どうしたの……? 「行くなよ」 滝川くんが切なそうに言う。 「え?」 な、に言って……。 ドクドクと、脈を打つ速さがます。 「でも……あたしがいたら、寝られないし。よくならないでしょ……」 「寝なくても平気」 「ダメだよ!熱下がんないじゃん!」 「下がんなくてもいいし」 「ダメ!明日も学校に来れなくなっちゃう!」