ぶ、ぶたれるっ……。
避けられないと思って!痛みを覚悟し、とっさにギュッと目をつぶった。
だけど……。
……あれ?
来るはずだった痛みが、いつまでたっても訪れない。
な、なに?
あたしはおそるおそる目を開けた。
「……あ」
「お前ら、なにやってるわけ?」
目の前には、北内さんの手首をしっかりとつかんで、3人を鋭くにらみつけている滝川くんの姿があった。
なんで、ここに……?
まさか滝川くんが来るなんて思ってもみなくて、あたしは驚きを隠せない。
「しゅ、俊くんっ……」
北内さんは顔を青くしながら、滝川くんを見上げていた。


